
── 2015年を振り返っていかがですか?
あまり活躍できなかったですかね。モーターの出力が思うように出せなかった。
── 6月には江戸川周年で4年ぶりにG1優勝していますが。
あの時は流れが良くて優勝できました。前検から伸びが良いと結果が出ることが多いんです。2015年で褒められるのはそれだけですね。個人的な評価としてはあまり良くない。SGダービーに出られないとダメですよ。ダービーに出られていないってことは年間を通して成績を残せていないってことですから。

── 通算70回のうち江戸川で14回、平和島で15回優勝しています。この2場は濱野谷選手にとって相性のいい場ですか?
そうですね。江戸川はなぜか分からないけれど、モーターが割と動いてくれるんですよね。平和島も走りやすい。逆に苦手な場となると淡水の場が苦手かな。海水に比べるとプロペラの調整が難しいんですよね。
── 平和島でSGグランプリが開催された2014年。グランプリ(決定戦)の出場を懸けたチャレンジカップでは節間オール3連対、優勝戦の枠番も2号艇で注目を集めましたね。
流れが良かっただけですよ。優勝戦で2着くらいに入っていれば良かったけど……なんだろうね、あそこでターンマークに当たっちゃうのが僕らしいといっちゃ僕らしいのかな(苦笑)。もう一つ足りないみたいな。
── 2016年はSGクラシック(平和島)が控えています。ぜひ、意気込みを!
地元SGなので恥ずかしいレースはしないようにと思っています。それに向けて体も調整していきます。実は健康面を考えて2015年1月1日からタバコを辞めたんです。そしたらそのストレスが食に向いてしまって。体重は55、6キロになるし勝てないしでストレスが溜まり禁煙辞めようかなとも思ったんですが、それでも我慢したら江戸川周年を獲れました。タバコの誘惑には勝てたので次は体重との戦いですね。

── 今までで印象に残っているレースはありますか?
2002年と2010年のSGグランプリ(住之江)です。2回とも1号艇に乗れたのにスタートが遅れてチャンスを無駄にしました。1回目の時はスタート展示でインコース80メートルラインから起こしたんです。深いですよね。本番は90メートルラインで起こしたら遅れてしまって。悔いが残っています。
良い意味で印象に残っているっていうとコレっていうのは無いですが、いつも一節に一回は選手仲間から「すげぇターンだ」って言われる旋回をしようと心掛けています。
── 逆に、今までで苦戦した時期はありますか?
プロペラやモーターが変わると、常に苦戦します。新しくなると、対応が遅いっていうのかな。みんなが機力を出している中で自分だけが出せていない。選手として情けないです(苦笑)。勉強不足なんでしょうね。
── 2014年末から導入された出力低減モーターはいかがですか?
うーん、馬力がないのは慣れました。それより新ペラ制度が始まった時の方が苦労しました。持ちペラだった時の方が、もしかしたら活躍していたのかもしれない。俺は良いペラを持っていたのかもしれないですね。結果が数字に出ていますもんね。レースするうえでプロペラは要だと思っています。

── ご自分の強みは何ですか?
ポジティブになれることです。日頃からあまり根をつめて考えすぎないようにしています。プラス思考の方が人生楽しいじゃないですか。
── 弱みは何ですか?
弱みかぁ…意外にメンタルが弱いです。レースが始まってしまえば別に関係ないんですけど、始まる前まではけっこう緊張するタイプです。
── いつもそんな風には見えませんよ。
実は緊張しています。堂々としているように見せているんです(笑)。

── 選手になったばかりの頃と今を比べて、変化したところを教えてください。
変化したところは若い頃に比べるとハンドルの入りが悪くなってきました。「こういうハンドルを切る」って意識してやらないと、体が動かない。少し反応が鈍くなっているんですかね。あと、昔はきれいなレースを心掛けていたけれど、勝つために時には内側から飛び込む、そういうきな臭いレースも必要かなと思うようになりました。モーターやペラが変われば乗り方や戦略も変わる。その時々に合わせて変化し続けたいです。
── 濱野谷選手から見て若手で良い走りする選手はいますか?
う~ん、どうだろう。順平(桐生順平)ですかね。レースはきれいだし、あのスピードターンは参考になります。できれば一緒に走りたくないな。いつ抜かれてもおかしくないですからね(汗)。