Tokyo-Splashメンバーの素顔を解き明かすSPLASH☆TALK。
レーサーとしての一面とプライベートな一面の2本立てでお届けします。
今回は今年すでに平和島V2を達成している山田哲也選手にインタビュー。
スタート屋として知られる山田選手は、速いのはスタートだけ!?
[取材日:2015年4月1日]
Racer
Private

── 昨年で選手生活10年。デビュー当時と変わったところはありますか?

当時は陸の上の仕事でいっぱいいっぱいになっていたので、レースに100%集中できていなかったですが、今は選手生活にも慣れてレースに集中できるようになりました。あと、精神的な落ち着きは多少出てきましたかね。

── 選手生活のなかで印象に残っている出来事は?

最初に自分の考え方が変わったのは、デビュー期か1年目くらいの時に、中野次郎さんに諭された時でした。新人なので節間にもテクニックの向上のために試運転を繰り返していたんですが、その日は雨が降ってきたんですね。雨が降っている時に試運転に出るとモーターがパワーダウンするかもしれないって話を聞いたことがあって、雨の日は早めに試運転を止めていたんです。そしたら次郎さんに「確かにモーターは悪くなるかもしれないけど、もっと長い目で見た方がいいんじゃないか。今後の長い選手生活を考えたら、少しでも多く練習して技量を向上させた方が自分のためになるんじゃないか」って言われて…目先のことだけを考えていたなと気付きました。その言葉をきっかけにもっと必死になることができたと思います。


── 随所に先輩から良いアドバイスをもらっているのですね。

次郎さんは僕のデビュー戦の時も一緒でしたし、後輩にフレンドリーに話しかけてくださる方ですね。でも、その言葉を言ってくださった時は、いつもと雰囲気が違って少し厳し目な言い方だったので、とても心に響きました。 師匠の山崎聖司さんにはレースに対する姿勢や気持ちの持ち方を教えていただき、その後もいろいろな先輩にアドバイスをしていただきました。どれも気持ちの面で成長できる内容が多かったので感謝しています。




── 「スタート屋」で知られる山田選手ですが、スタートする時には何を意識していますか?

自然状況、とくに風は気にします。スタート練習の時に定時定点を覚えるようにしていて、そこに風などの自然状況を合わせて逆算していきます。あとは度胸と冷静さのバランスですね。変に度胸がありすぎてフライングしても困るので。

※定時定点:定められた時間に、定められた場所を、定められた速度で通過してスタートタイミングを合わせていくという考え方。

── スタート感を掴むのは早かったですか?

そうですね、速かったと思います。デビュー期にとりあえずフライングしないように、コンマ15くらいを目指してやっていたら割といつも15くらいにきて、次は10くらいにしてって、少しずつ平均スタートが速くなりました。

── 持って生まれた才能ですね。

昔から訓練をしていたわけでもないですし、スタートに関してとくに努力しているわけではないので、たまたま速くてツイていただけですよ(笑)。

── 「スタート屋」って呼ばれるプレッシャーはないですか?

プレッシャーを感じていた時期もありましたが、今はスタートを速く行くよりも舟券に絡んでお客さんの期待に応えることを大事にしています。スタートが遅れても差して1着を取ればお客さんは満足してくれると思うので。遅れたくはないですけど、まくることだけじゃなくてトータルで結果に繋がるように頑張っています。

── 好き、得意なコースはありますか?

好き、得意なコースはカドの4コースです。やっぱり気持ちは入りますよね。でも、最近のデータを見ると2コースの勝率が割と高いです。昔は差しが器用にできなかったこともあり2コースが苦手なイメージでしたが、最近少しコツを掴んできました。以前の僕はどちらかというと伸び型の調整をしていて、最近は出足型の調整をするようになったので伸びより出足一本で勝負する2コースに合ってきたのかもしれませんね。

── 昨年9月、今年の2、3月に平和島で優勝を飾っていますが、平和島は得意ですか?

今は得意です、今は。昔、地区スターを2年間させていただいて、とてもありがたかったですし、嬉しかったのですが、正直苦手でした。平和島は全くモーターが出せなかったんですよ。レース場の作りや水面はけっこう好きなんですけど、プロペラの調整が分からなかった。モーター抽選運も無い方で、平和島の整備士さんには「また変なの引いたな」ってよく言われていましたよ。でも良いエンジンを引いたとしても仕上げられなかったのが事実です。今は各コースの走り方が自分なりに分かってきましたし、24場で一番多く走っているので、感謝の気持ちを結果で返していきたいと思っています。平和島を走る時は負けられないですね!

── 現在、1月から5連続優出中。2015年は調子が良いですね。

どうですかね…。今年はモーター抽選がいいだけですよ。強いて言うなら今年は気持ちに落ち着きがありますし、休まないで走った方が結果に繋がるのでとくにフライングには気を付けているからですかね。もちろん、勝負どころではスタート行きますけどね。

── 2016年3月には平和島でSGクラシックが開催なので気合が入りますね!

今年はだいぶ意識しています。5回くらい優勝するかG1獲るかして出場したいです。

── 山田選手はどんな性格ですか?

負けず嫌いで、トロい。2つのことを同時にできない不器用なタイプです。例えば前検のモーターを組み上げて水面に下ろす作業なども、いつも最後の方なんですよね。よく先輩に速いのはスタートだけだなって言われます(笑)。あと、何かをやっている時に話しかけられても全く耳に入ってこない。小さい頃から一点に集中、熱中すると周りが見えなくなるんです。

── 趣味でもハマると熱中するタイプですか?

そうですね、没頭するタイプではあると思います。アクティブな方が好きなので、テニスしたり、釣りしたり、最近は登山をしようかなと思って道具をそろえようとしています。家にじっとしているのは好きじゃないですし、身体を動かすとストレス発散、リフレッシュにもなりますから。

── インドア系の趣味はないですか?

中野次郎さんに勧められてスマホのドラゴンクエストをやっています。東京支部だと作間(章)さん、石渡(鉄兵)さん、齊藤仁さん、濱野谷(憲吾)さんとかたくさんの方がやっていたのに、最近は作間さんと石渡さんと僕以外は辞めて違うアプリゲームに移動しちゃいました。

── 前回のSPLASH☆TALKで石渡さんが「お酒を飲むとつい課金しちゃう」って言っていました。

僕もその時期がありました(笑)。最近は反省しています。次郎さんも反省していました(笑)。次郎さんは3月末に多摩川のG1で優勝されていたので、LINEで「また課金できますね」って送ったら「そうだな」って返事がきました。ドラクエは対戦もできるので、半年くらい前には石渡さんを一瞬でやっつけましたよ。水面ではやっつけられないので(笑)。でももう皆さんモンスターストライクってゲームに移動したんです。次郎さんも僕のことを誘っておきながら、モンストに行きました。でも飽きたらしくまたドラクエに戻ってきましたけどね。

── 選手同士で集まることはありますか?

ペラグループなどで年に1回くらい遊びに行きます。ほかには釣りにも誘われたりするんですが、仕事が忙しくてなかなか。毒島(誠)さんは支部は違うんですけど、プライベートでよくしていただいていますね。

── ライバルは誰ですか?

同期だと峰(竜太)とか岡村(仁)とかが記念を走っているので、多少は意識しますよね。お互い切磋琢磨して成長していければいいなと思っています。

── 尊敬しているレーサーはいますか?

師匠の山崎聖司さんは尊敬しています。東京支部でエースといえば濱野谷さんですけど、どういうスタイルであれ勝負強い選手は憧れです。

── 山田選手にとっての座右の銘は?

「後悔先に立たず」ですかね。選手生活を後悔しないように過ごそうっていう意識はしています。あの時もうちょっと努力しておけば良かったって40、50歳になった時に思いたくないので。やりきった! と思って選手を辞めたいです。今後も頑張っていきます!

── 目標

2015年の目標はSGに出て結果を残したいです! とくにダービーとクラシックは意識しています。あと、フライングをしないこと。スタート事故でSGのロードを閉ざさないようにしたいです。

── 課題

フライングをしないこと、そしてターンスピード、ターンテクニックをあげることです。