
── 2014年はSGに6回、G1に10回出場されましたが、どんな1年でしたか?
2014年は平和島でグランプリを開催することもあり、年始から気合いが入っていました。そしたら2月に関東地区選で優勝して、調子良いなとは思っていたんです。しかし、その後調子に乗りきれず、夏場くらいまで全然結果が出せなくて少し中だるみがありました。そんな時、マクール編集長の黒須田さんに喝を入れられ、そこから気持ちを引き締め直したので夏後半に入るとだいぶ良くなっていったとは思いますね。
── 残念ながらグランプリ(決定戦)18名には出場できませんでしたが、グランプリシリーズに参戦。節間を振り返っていかがですか?
予選を通ることができず、情けなかったですし、悔しかったです。前検からかなり気合いは入っていたと思うんですけど、それでも結果を出すことはできませんでした。気持ちだけではどうにもならないので、改めて難しいなと感じましたね。

── 東京支部の主力勢としてグランプリ出場へのプレッシャーもあったのでは?
そうですね。地元勢として出なければいけないと、自覚はしていたつもりです。でも、まだ考えが甘かった。だから、ピットで取材される時もグランプリについていろいろと聞かれましたが「あおって書いてくれ」って言っていました。そうすることで、自分自身に良い意味でプレッシャーをかけていたんです。
── 2015年最初のSGレースはクラシック。2014年は関東地区選で優勝し、
クラシックの出場権をゲットしました。今年も地区選へのモチベーションは高いですか?
昨年中に出場権を取れることがベストでしたが、今年もまた一発勝負になってしまいました。(今年地区選が開催される)戸田は好きなんですけど、地元勢は相当張り切ってくると思うので、それに呑まれないように頑張ります!

── 昨年、選手生活20年を迎えられ、振り返ってみて一番印象深い出来事は?
淡々とやってきたなって感じはあります。強いて言えば2010年に初めてG1で優勝できたことは大きかったですかね。A1級になって一般戦ではある程度結果を出せていましたが、G1だと5、6着ばかりで「どうやったら勝てるんだろう」と長い期間悩んでいました。そんなことがずっと続くとレースに行くのが嫌になってきて(苦笑)。
── そんな中、2010年G1江戸川で優勝したわけですね。
初日、2日目あたりから勝てそうな気配があったんです。モーターも出ていましたしね。江戸川だったので、他場のG1に比べると(雰囲気に)呑まれている感じはなく、もう行くしかないなと思って挑んだ結果が優勝でした。その時からやっと自信を持てるようになったんです。あのレースは自分にとって転機でしたね。
あとは後輩の存在も大きかったかな。いろんな後輩たちが自分に質問してきて、いざ教えようと思った時にどう教えたら良いか全然分からないんですよ。言葉で上手く伝えられないのではなくて、自分ができていないから説明できないんです。人に説明できるくらいちゃんとやっていない。その時に改めてもっと自分は努力しなきゃいけないんだと認識しました。
── 今の若手選手をどう思いますか?
僕が新人の時に比べると、スタートにしても、ターンにしても、陸の上の先輩への気遣いにしても、すごいと思います。とくに後輩だと(荒井)翔伍は気になりますね。期待は大きいです。あ、でも本人には言わないでください(笑)。ほかにも佐藤大佑、伏田裕隆、若林友など、後輩のレースはパソコンで見たりしています。

── デビューした頃の自分と今の自分で変わったところ、変わらないところは
ありますか?
変わったところは、社交的になりました。昔は引っ込み思案かつ人見知りで、一人でずっと本を読んでいるタイプでした。昔に比べるとだいぶ人と喋れるようにはなったと思います。変わらない部分は人の話を素直に受け入れられるところですかね。どんなに批判的なことを言われても受け止めますし、教えてもらったことはすぐ試すようにしています。今でも周りの選手にアドバイスされたら、とりあえずやってみますね。
── いつもどんなことを意識してレースに臨んでいますか?
熱くならないこと。いつも「熱くなっちゃだめだよ!」って自分に言い聞かせています。熱くなると事故を起こしてしまうし、水面に出ると普段より感情的になって人が変わるタイプなので、スタートにしても、ターンにしても熱くならないように、冷静にって心掛けています。