
── 初A1昇級確定おめでとうございます。今のお気持ちは?
ありがとうございます。嬉しい気持ちもありますが、正直ほっとしています。できたらもう少し早く昇級したかったですね。でも最後まで走りきって何とかA1になれたので良かったです。
── 9月末時点での成績は勝率6.18。10月は勝負駆けの月となりましたね。
はい。勝率がA1ボーダー付近ということもあって意識していました。フライングを1本持っていたわりには、攻めの姿勢で最後まで走れたと思います。


── 今年2月に芦屋で海野康志郎選手や坂元浩仁選手、日高逸子選手など名だたる先輩を抑えて初優勝を飾っていますが、その時の心境を教えてください。
昨年7月に福岡で初めて優勝戦の1号艇に乗りました。優勝戦は何度か乗ったことがありましたが、1号艇で優出したのはその時が初めて。その日は朝からいつもと違う緊張感があり、平常心ではありませんでした。結果、4号艇の金子(良昭)さんにまくられて……その反省から芦屋の優勝戦はいつも通りのレースをしようって心に決めて挑みました。 スタートした時は進入が深かったこともあって、3号艇の海野さんが覗いてきてまくられるって思ったんですよね。それで焦って握ってしまった分、乙津(康志)さんに差されて…あぁ終わったなって。しかし、今回は落ち着いてレースできていたので、2マークに入った時に「あ! これはチャンスかな」と思って、思い切って旋回したら逆転していたんです。前回の反省を活かして優勝できたので、とても嬉しかったです。
※2014年2月芦屋優勝戦:荒井選手は1号艇で登場し、132/546の進入隊形でスタート。1周1マークで3号艇・乙津選手が荒井選手の懐を差して先頭を奪取。1周2マークでは先頭の乙津選手、2号艇・海野選手、5号艇・日高選手が先に旋回しようとしますが、荒井選手が鋭いターンで内を攻め、大逆転。その後、後続艇を引き離しゴール。

── 1着を取ったレースを見ると、さまざまなコースから進入したことが分かるのですが、苦手なコースはありますか?
どのコースだから苦手っていうのは全くないですね。内にこだわることなく、4、5、6コースでも1着を狙っていきますし、最低でも3着以内には入れるように意識しています。1号艇の時はピット離れが遅れない限り絶対インは死守するつもりですし、1コース以外だったら柔軟に見ながら対応しています。ペラグループの先輩も枠をガツガツ取りにいくタイプではないので、僕も前付けしにいかなくても勝てる選手になりたいと思っています。
── どちらのペラグループに入っていますか?
石渡さんや作間さんがいらっしゃる「TASK(タスク)」というグループに入っています。グループ名は石渡鉄兵(てっぺい)さんのT、作間章(あきら)さんのA、若林将(しょう)さんのS、足立かなえさんのK、それぞれの頭文字をとって決まったそうです。僕と同期の佐藤大佑が入るまでは4人だけだったんですが、僕らの後に伏田(裕隆)や若林さんのお兄さん・若林友さんも入って人数が増えました。意識の高い選手が周りにいるので、仕事に対する姿勢やレーススタイルなど学ぶところは多いです。

── 今までで一番印象に残っているレースはありますか?
一番って言われると思いつかないんですが、最近印象に残ったレースでいうと今年9月末の芦屋一般戦です。その節は瓜生(正義)さんも出ていて3回対戦したんです。1回目は僕が2号艇で瓜生さんが4号艇、2回目は僕が1号艇で瓜生さんが4号艇、どちらも結果は瓜生さんが1着。3回目は僕が1号艇で瓜生さんが3号艇、このレースは負けたくないと思って全速でスタートを切ったんですが、フライングして、さらにまくられて……。結果、瓜生さんはその節パーフェクトVでした。トップレーサーの凄さに圧倒されたのと、そんな選手に対抗できるように自分も頑張らなきゃなと感じたレースでした。
── 尊敬している先輩はいますか?
レーススタイルは石渡さんや作間さんを、乗り方は体格が似ている瓜生さんを意識、尊敬しています。なので、この前の芦屋戦の時に「瓜生さんはどうやって直線を乗っているんですか?」って直接聞きに行ったんです。そうしたら「こうやって乗っているんだよ」っていろいろ丁寧に教えてくださいました。そのアドバイスを糧にして、今練習しています。