
―― 今年は地元・平和島でグランプリが開催されますが、意識はしていますか?
今年の5月くらいまではあまり気にしていなくて、平和島のG1で活躍できてから(優出2着)意識し始めました。僕の今の実力ではグランプリどころかグランプリシリーズさえ出場できる自信がなかったんですけど、この時の仕上がりがいつもできれば年末の平和島イケるかもしれないって。でも、意気込んだ矢先に江戸川でフライングしてしまって……。意識をすることが事故に繋がってしまったと思うので、今はあまり考えないようにしています。

今年で選手生活14年、挫折を感じたことはありますか?
自分の中で壁にぶちあたった時期が2回あります。1回目は2007年に江戸川、丸亀とG1準優で連続してフライングを切った時。これは気持ちが焦っていたんだと思います。2回目は今のペラ制度になってからF2した時です。2回目は気持ちもそうだし、ほかの原因がいろいろありました。うーん……未だに思うようなレースができていない感じがあります。自分の納得した仕上がりで負ける分には、自分のテクニック不足だなぁ、焦っていたなぁと気持ちの整理がつくんですけど、今の状態はイケるなと自信を持ってレースに行くのにレースの感触は180度違ったりして、ズレすぎているところがあるんです。……苦しいですね。

―― ここ最近はレースで苦しむことが多いですか?
5月の平和島の記念は納得した形で挑めたと思っていたんですが、その後のレースは同じようにやってもうまくいかなかったりして。前までは、自分なりにすごく良い仕上がりの時に、それで成績が悪くても原因が分かっていたんですよ。今は何がどう間違っているのかよく分からない状況です。
―― 今は調子が良くないということですか?
調子が良くないかというと、そうでもないんですよね。元々そんなにすごい成績を残しているわけでもないので。納得したレースができていないというか、何というか……問題点が分かっていない、自己分析ができていない感じですね。なぜ勝てたのか、なぜ負けたのかが掴みにくいです。

―― ご自分の強みは何でしょうか。
何でしょう……八方美人なところかな。今までレースで突っ込まれたりとか無理な前付けをされたことがないんです。なので、憎まれてはいないのかな、嫌われてはいないのかなとは思いますかね。あと、感情の起伏があまりないかな。言う時は言いますが、激しく怒ったりはしないし、シビアになったりもしないので、周りからは楽しそうにやっていると思われているかもしれませんね。
―― では弱みは?
いっぱいありますよ(苦笑)。八方美人は強みであり、弱みです。気疲れするんですよ、でもそれがプラスになる時も多々あるから一長一短ですね。
―― 中野選手はすごく社交的な印象があります。
あぁ~確かに角谷(健吾)さんによく「濱ちゃん(濱野谷憲吾さん)は絶対サラリーマンできないけど、次郎はできるよな(笑)」って言われます。褒め言葉なんですかね(笑)? でも結局、性格なんて関係ないんですよ。結果を出せばその人の持つ性格や手法が評価されるわけですし、弱いのに偉そうなこと言ったり、やったりしても誰も相手にしてくれませんから……結果が欲しいです。
―― 中野選手が求める結果とは?
自分が思い描いたレースをして、勝ちたい。タイトルを獲っても納得のいくレースをしての結果じゃないと。その反面、すごいレースをしても2着では意味がないし。素晴らしいレースをして優勝することが結果を出すということじゃないですかね。