Tokyo-Splashメンバーの素顔を解き明かすSPLASH☆TALK。
レーサーとしての一面とプライベートな一面の2本立てでお届けします。
記念すべき第1回は、アイドルレーサーとして人気の高い市村沙樹選手!
キラキラした笑顔の裏に隠された苦悩にも迫ります。
[取材日:2014年2月13日]
Racer
Private

── まず、Tokyo-SplashのチームSに選ばれた感想は?

私が入っていいのかな? とすごく思いました。だって、山田(竜一)さんや濱野谷(憲吾)さんとか実力のある方々ばかりなので。でも選んでいただいたからには頑張ります!

── 2012年12月には江戸川で初優勝を遂げるなど、着実に成果を上げていることがファンや関係者の評価に繋がったと思います。

あの優勝は、まさか、まさかの出来事でした! 優勝したい気持ちはありましたが、6号艇だったので「無理だろうな」と思っていたんです。あんなターン、あと何年後にできるんだろう……。本当に私にとって忘れられない記念の日になりました。

── また、2013年は2012年に比べて勝率が飛躍的に上がりましたが(3.96→5.56)、その理由は何だと思いますか?

優勝できたことが自信に繋がったんだと思います。初優勝してから「もしかして私でも頑張ればA級になれるんじゃ……」って気持ちが出てきて。しかも、良いエンジンを引けたり、レース展開が良かったり、自分の思いとプラス要素が加わって残せた結果ですね。

── これまでの選手生活の中で一番辛かったことは何ですか? また、その壁はどうやって乗り越えましたか?

一番辛かったのは成績が伸び悩んだことです。フライングばかりしてしまい、ファンの皆さんや関係者の方々に対する申し訳なさと自分のふがいなさに押しつぶされそうになっていました。その時に掛けてくれた母親の言葉には救われました。「でもケガしてないなら良いじゃない」って。 ただ、それでもなかなか前向きになれず、すごく消極的なレースをしていたある日、同期のレースを見ていて、ふと私らしいレースが全くできていないことに気付いたんです。そこから変われましたね。だから家族や同期、あとはいろいろとアドバイスしてくださる先輩方のおかげで今の自分があります。

── 今の市村選手の強みは何でしょうか。

難しいですね……。攻める姿勢、攻めるレースですかね。先輩方やファンの皆さんにそう言ってもらえるので。握って回るところが自分の持ち味かなと思います。

── では、弱みは?

周りが見えなくなるところです。あとは、メンタルがコントロールできずにフライングや事故をしてしまうところですね。

── ブログを拝見すると、常に前向きな印象があります。

そうですね。とことん落ち込む時もありますが、前向きに考えてる方が絶対に良いし、少しでも前に進もうという気持ちがあれば成績は伴ってくると思っています。 あと、常に笑顔でいたいです。ヘラヘラするのではなくて、笑って余裕を見せていたい。私、周りには自分の弱い部分を見せたくないんです。優しくされると泣いちゃうタイプなので(笑)。先輩にフォローしてもらうと特に(苦笑)。

── 憧れているレーサーはいますか?

引退された濱村美鹿子さんです。オカの上では本当に優しくて天使のようなんですけど、レースになるとすごく強くて、私も濱村さんのような選手になりたいと思っています。現役選手の先輩にはいろいろと支えていただいて、いつも感謝しています。Tokyo-Splashでは廣中(智紗衣)さんに精神面でとても助けられていますね。年齢が近い平田(さやか)さんには刺激を受けています。レディースチャンピオン(女子王座)に出場されているのを見て、私も早く追いつきたいと思えるようになりましたから。

※濱村美鹿子:選手生活4年目でA1級に定着し、G1レディースチャンピオンに13回もの出場を果たした東京支部を代表する女性レーサー。2010年3月に引退。

── プライベートでは女性レーサーの皆さんとどんな話をしますか?

レースの話はその場でしっかりと話すので、遊んでいる時は基本的にガールズトークです。「付き合ってる人はいないの?」とか聞いたりして(笑)。

── 後輩で105期の中澤宏奈選手とは仲が良いですよね。

宏奈とは102期の試験で知り合ってからの付き合いです。だから、後輩というよりも友達感覚の方が強いですね。レースについてもよく話します。私からアドバイスをするし、宏奈も私にいろいろ提案してくれるし、いい感じの距離感だと思います。

▲2014年2月10日 BR住之江のイベントにコスプレで出演。

── 市村選手がよく使うフレーズの「応援するのは義務ですよ」は初音ミクの曲から派生した言葉ですよね?

そうです。私、初音ミクが好きで、おととしの多摩川リーグ戦はそのコスプレをして選手紹介式に出たんです。コスプレだけでなく何かしたいなと思っていた時に、ちょうどミクの曲の替え歌をネットで見て、このフレーズ使える! と思い使い始めました。

── 休日の過ごし方は?

撮りためたアニメを見たり、ネットサーフィンをしています。

── 一番好きなキャラクターは?

やっぱり初音ミクが一番好きです。部屋にもたくさんグッズがあります。実家にヲタク部屋を作っているので、結婚して新居には持ち込まないって決めてたんですけど、気付いたら(新居に)いっぱいになっていました。

── 旦那さま、清水敦揮選手との馴れ初めを教えてください。

私は覚えていなかったんですけど、レースで一緒になったことがあったらしくて、その時から気にかけてくれてたみたいです。私の同期(103期)の喜井つかさと同じペラグループだったので、つかさ伝いに話が来ました。

── どんな風にですか?

「かわいい」って言ってる人がいるよって。それからメールのやりとりをするようになって、岡山から千葉まで遊びに来てくれたりしました。

── メールのやりとりをし始めた当初から恋愛対象として意識していましたか?

この人誰だろう? という感じでしたが、すごくアプローチしてくれて。最初は先輩という意識が強かったんですけど、何回か会っていくうちにとても優しいし、私自身の家庭事情も理解してくれたので良い人だなと思うようになりました。……この話恥ずかしいですね(赤面)。

── どのくらいの交際期間を経ての入籍ですか?

1年ちょっと付き合ってからです。しかも、ずっと岡山と千葉とで遠距離だったんですが、婚約する前にいきなり彼が千葉に引っ越してきたんですよ! 「どうしよう、私逃げられないかも」と思ってしまいました(笑)。

── 清水選手は結婚する気で引っ越したんじゃないですかね!

最初からずっと「結婚したい」と言われていたんですけど、私がそれを信じ切れてなかったですね。まさか引っ越してくるとは。

── ブログで「家庭も選手も両立できるように頑張っていきたい」とおっしゃっていましたが、将来、お子さんが生まれたらボートレーサーになってもらいたいですか?

うーん、もし私たちを見て憧れて「なりたい」って思ってくれたのなら、たぶん反対はしないと思います。楽しそうですよね、もし子供が選手になって一緒に走れたらと想像すると。

── その姿、見たいものですね。期待しています。

もうちょっと待ってくださいね(笑)。

── 目標

2014年の目標はレディースチャンピオン(女子王座)に行くこと! 今、選考ボーダーより少し下なんですけど、いい加減に行きたいです。103期がまだ誰も出られていなくて、でも今年は小野生奈が行くと思うので、私もそこに続けるように頑張ります。

── 課題

体重をもう少し減らしたいです。あと、後悔しないように一走、一走を大事に走ることです!